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東京12カ所をメディア・アートが席巻?テクノロジーカルチャーの祭典「Media Ambition Tokyo」とは

2/9(金)から2/25(日)の17日間、都内12カ所で開催中のテクノロジーカルチャーの祭典、Media Ambition Tokyo 「MAT」。最先端のテクノロジーカルチャーを実験的なアプローチで都市実装するリアルショーケースとして、メディアアートや音楽、映像、パフォーマンス、トークなど、多様なプログラムが集まるアートフェス。

注目のメディアアーティストが勢ぞろい

6回目を迎える2018年は、「Rhizomatiks」や「チームラボ」「落合陽一」など、メディアアートを牽引するアーティストから、役割を終えた電子製品を楽器として蘇生させて奏でる「Open Reel Ensemble」の和田永、「SXSW 2017」のアート部門で受賞した後藤映則や、norなど注目の作品が並ぶ。

「VODY」Rhizomatiks/トヨタ紡織社

「Morpho Scenery in GYRE」落合陽一

THOUGHT [with LEXUS LS]後藤映則

中心地は六本木ヒルズ

Media Ambition Tokyo 「MAT」の会場は六本木ヒルズ・アンスティチュ・フランセ東京・デジタルハリウッド大学・Apple Store 銀座・ART&SCIENCE GALLERY LAB AXIOM・銀座蔦屋書店・TSUTAYA TOKYO ROPPONGI・代官山 T-SITE・チームラボ・日本科学未来館・Good Design Marunouchiほか。文字通り「東京一帯」がテクノロジーとアートに包まれる。

中心となる六本木ヒルズには、トヨタ紡織社とRhizomatiksが手がけたセンシング技術で体の一部のように感じるクルマ「VODY」や、香りの記述方法「香階」に着目し、世界初の香楽器《パフューマリー・オルガン》として制作された「Perfumery Organ」。「ラブ」「ピース」という言葉が含まれているツイートを世界中から集め、光の粒子としてワールドマップにビジュアライズされる「CONNECTED FLOWER」など、先進的な作品が並ぶ。

「Perfumery Organ」TASKO社

予測不能な自然現象とデジタル制御が生み出すアート「dyebirth」

会場の最後に展示されていたのは、建築家、デザイナー、音楽家、エンジニアなど多様なバックグラウンドをもつメンバーによって2017年に発足した注目のクリエイティブレーベル「nor」の作品。

作品名は「dyebirth(ダイバース)」。水やインク・化学物質などが混ざり合うことによって生まれる物理現象を電子制御することで、絶えず有機的な模様を描き出し続けるインスタレーションだ。

デジタル制御と自然現象の狭間で予測不能な様々な模様が生まれ、染まり合い、やがて無個性な黒となり死んでいく一連の様子から、多様な生命のあり方を表現している。

「nor」の特徴は、企業でディレクターやデザイナーの役割を持つメンバーが集まり、それぞれ異なる役割を担っていること。

プロデューサーを務める林氏は、クリエイティブカンパニーのテクニカルディレクターの顔を持ち、他方プランナーの福地氏は広告会社のプロデューサー、エクスペリエンスデザイナーの板垣氏は建築設計事務所を主宰し、デザイナーの川又氏は、UI/UXデザインの会社でWebサービスを手掛けるなど、それぞれが所属する企業とは別の顔を持っている。

今回、ユニークなレーベルの作品作りのプロセスや目標をメンバー4人に聞くことができた。

(右から林氏、福地氏、板垣氏、川又氏)

普段できないことに挑戦する

ーー「nor」での活動と本職との役割が違うのはなぜでしょうか?

林(プロデューサー):意識的にあえて普段やれない役職を担うようにしています。作品作りも同じで今回のようにサイエンスを取り入れ液体の物理現象を扱うことは、メンバーの誰もやったことがありません。普段できないコトをしたいので。

ーー作品作りのプロセスは?

福地(プランナー):広告の仕事を普段していると、「何のため」に作るかが明確なので、最適解を導き出すための拠り所があります。一方作品作りは、原理や現象のおもしろさで全員が一致した時が始まりで、つくる意義になります。

また、今回は「インクを使ってこう言うものを作りたい」といった使用する原理や現象のイメージができた段階で、先に「dyebirth」と言う名前を付けたんです。

「染める」と言う意味を持つ「dye」と「生と死」の意味を持つ「die」と「birth」、それと「多様性(diverse)」と言う意味を付けてあげる事で、全員がどっちに向かって走ればいいかという拠り所をコンセプトから明確にする事ができた。それが今回のポイントであり、norでのプランナーとしての役割です。

板垣:液体をつかって展示をするに当たって、その絵が30分、1時間ではなくて、一日中展示し続けられるように、物理現象の速度やハードの部分を調整する事に時間を費やしました。普段の仕事で「水仕舞」といって雨が建物に入ってこないように設計をしますが、その経験は長時間の運用を見据えた筐体の設計に役に立っていますね。

川又(デザイナー):dyebirthは自分たちは全く知見のない「物理現象」の領域にも踏み出したので、筑波大学数理物質系・助教・菱田真史博士の協力のもと、膨大な実験とプロトタイピングを行い制作しました。

板垣:面白いものや綺麗なものを生み出す事を追求していますが、体験としてただ楽しいだけじゃなく、別のレイヤーで作品のコンセプトを表現したり、学びを提供できるような作品作りを心がけています。

林(プロデューサー):普段やっているクリエイティブの仕事は、コンセプトとかアイデアとか目指すゴールがあるんですが、そこに向かって作品作りをするだけでなく、実験をしながらおもしろいポイントを積み重ねていっていびつな形ながらも、作品作りの最終ゴールに向かうという作り方をしています。

有形無形にとらわれないクリエイティブ

ーー活動に対する目標は?

林:目標はあえて作っていなくて、有機的に変容しながら、その都度興味のあるものに走り出して積み上げていくっていうのが多いです。

今回はアート作品ですが、アート作品以外の物もどんどん作っていこうかと思っていて、今回トークイベント(2月24日(土)16:00-17:10「表現するサイエンス⇆発見するアート」)も僕たちがプロデュースする形で発信していて、有形だけに固執しないモノづくりをしていこうと心がけています。

・ ・ ・

テクノロジーとの融合で新たなクリエイティブを次々に生み出すメディアアート。そのシーンは作品自体はもとより、作品との関わり方や作るプロセスにもイノベーションを起こしている。メディアアートの最前線をのぞいてみては?

Media Ambition Tokyo
コア期間:2018年2月9日(金)~2月25日(日)
※開催期間は会場によって異なる
開催場所:六本木ヒルズ(六本木)/ ART & SCIENCE GALLERY LAB AXIOM(六本木)/ アンスティチュ・フランセ東京(飯田橋)/ デジタルハリウッド大学(御茶ノ水)/ 代官山 T-SITE(代官山)/ 日本科学未来館(お台場)/ Good Design Marunouchi(丸の内)/ GYRE(表参道)/ チームラボ(水道橋)/ 銀座蔦屋書店(銀座)/ TSUTAYA TOKYO ROPPONGI(六本木)/ Apple Store 銀座店(銀座)

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