「テクノロジー」の進化が急激に進む今日、わたしたちの周りのあらゆる物が開発され、便利になり、さらなる楽しみを提供し、時には先回りして問題を解決してくれたりもする。
しかし、そんな「最新テクノロジー」をもってしても解決できない問題も、世の中にはたくさんある。
例えば、「便秘」。
年代性別問わず、私たちを苦しめるこの問題。最近では、便秘知らずと思われていた子どもまでもが、悩んでいるという話すらある。たかが便秘、というなかれ。極度の便秘は死亡原因にもなるというから、事態は深刻だ。
そんな万国共通の悩みである「便秘」を、「超アナログ」なプロダクトで解決し、爆発的なヒットを記録している商品がある。
「Squatty Potty」というその商品、いったいどのようにして人々を救ってくれるのだろうか。
「Squatty Potty」を開発したのはEdwards一家。彼らは「人間の排便に及ぼす体位の影響」について学び、以下のような結論を導き出している。
股関節の屈曲が大きくなればなるほど直腸管がより真っ直ぐになり、排便への妨げが減少する。
また、しゃがんで用を足すイラン式のトイレと、座って用を足す洋式のトイレでの比較を行った結果、イラン式のトイレの方が肛門直腸の角度がより広がり、排便もより楽であったのだ。
そう。これは最近では珍しくなってしまった日本の「和式トイレ」でも、同じことが言えるだろう。
イラン式や和式のトイレの方が用を足すのに楽だが、しゃがんで用を足すことは慣れていない人にとっては、この体勢はかなりのストレスである。洋式のトイレに慣れてしまった日本の現代人も、きっとそうかもしれない。
そこで開発されたのが「Squatty Potty」だ。洋式のトイレの快適さを保ちつつ、和式トイレの体勢が取れるスグレモノ。お風呂の椅子の様な見た目で、デザインも使い方もシンプル。ただ洋式トイレに座り、足を「Squatty Potty」に乗せれば、自然とベストな角度にしてくれるのだ。
使わないときはトイレの下に収納できて、邪魔にならない。シンプルなデザインなので掃除も楽。またHPでは、スケルトンや木目調など様々なデザインが販売されているので、あなたの家のトイレに合った一台を見つけられるはず。
このプロダクトを使った人々は、大抵の場合すぐに効果を実感するとのこと。もちろん効果には個人差があるが、大切なのはリラックスすることだという。実際に使用し効果を実感した人の中には、妊娠中の便秘に悩んでいた女性や、慢性の痛みを伴う直腸炎で悩んでいた女性、パーキンソン病によりトイレで用を足すことが困難な男性など、様々な状況で苦しんでいる人たちがいる。
彼らは薬に頼ることをやめ、副作用の心配がなく、なによりも安価な「Squatty Potty」に出会えたことに、とても感謝しているという。その証拠にinstagramで「#squattypotty」を検索してみて欲しい。世界中の人々が、「Squatty Potty愛」をアップロードしているのがわかるはずだ。
はじめて「Squatty Potty」を見た人はこう思うかもしれない。「なんだ、単純なことじゃないか」と。
そう、世界を救うのは最新テクノロジーや、天才による奇想天外な発想ばかりではない。あっけないほどシンプルで、簡単に作ることができ、世に出てみたら誰でも思いつきそうな、そんなプロダクトなのかもしれない。
Squatty Potty
Courtesy of Squatty Potty