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オーダーパンプスを従来の半額で提供する未来の靴屋さん「シューズカフェ」

一度履いたら手放せなくなるといわれる「オーダーメイドシューズ」。なかでも足のサイズの形にぴったり合わせた靴を木型から作りあげる「フルオーダー」は、既製品とは比べ物にならないフィット感で、憧れる人も多い。一方で価格がネックとなり手が出せずにいるひとも多いのではないだろうか。

そんな「フルオーダー」の靴を、従来の半額で注文できるというのが、昨年1月、東京・市ヶ谷にオープンした「シューズカフェ」だ。

元ITコンサルが発案する未来の靴屋さん

「シューズカフェ」は、「フルオーダー」のパンプスを8万円前後でオーダーが出来るとあり、サービス開始から注文が殺到。3ヶ月待ちという状態が続いた。

低価格でフルオーダーを実現する秘密は、テクノロジーと職人技をうまく使い分けること。そう語るのは、「シューズカフェ」を運営するミリメーター社の代表取締役社員の粕谷孝史氏。

もともとはIT企業でコンサルタントをしていた粕谷氏だが、数年前に出会った3Dスキャン技術に潜在的な可能性を感じ、未経験ながら靴作りに転用するというアイデアを実現したという。それが今では「未来の靴屋さん」と評判を読んでいる。

テクノロジーと職人技の融合

3Dスキャン技術を利用するのは、靴の原型となる木型づくり。履き心地を大きく左右する工程で、これまで微妙な起伏やバランスを職人が調節してきた。これを3Dスキャンで測定することで、指の形や血管の起伏まで正確無比に測定することができ、その形をもとにコンピューター上での正確なモデリングを可能にした。

細かい微調整を終えると次は3Dプリンタで型を出力。これまで3週間ほどを要していた工程が、たった1日で、しかもより正確に作り出せるという。

テクノロジーを活用する一方、靴の縫製は職人が1点ずつ手作業で行う。素材の状態や形を確かめながら丹念に作る職人技とテクノロジーをかけ合わせて初めて低価格かつ最高の履き心地の靴ができあがるのだ。

新たな取り組みで注目を集める「未来の靴屋さん」は、どのように生まれたのか?その経緯と今後の展望を、粕谷氏に聞いた。

誰も賛同しなかったから一気通貫で挑戦することにした

ーーなぜ3D技術を靴作りに?
粕谷:3D技術にビジネスの可能性を感じていて、特に「人体」に適合するのではないかと感じました。医療業界で導入が進んでいるのが良い例です。ですが、他の業界ではまだ活かされていない。そこで新たな価値を提供できるのではないかと考えました。

ーー脱サラして独立した理由は?
粕谷:もともとは靴作りを自分でやるのではなく、製造を委託してIT側だけやろうとしたのですが、靴業界は新しい文化をなかなか受け入れ難い業界で、どちらかというと部品を使ってほしいという話にはなりましたが、製造委託の話はまとまらなかった。そこで、自分たちで独立し、一気通貫して挑戦することにしました。

ーーパンプスを選んだ理由は?
粕谷:私自身、靴が好きで、独立するにあたって靴作りを2年ほど勉強したのですが、その結果、一番難しいのが「パンプス」だということがわかりました。だから今は「パンプス」一本で展開しています。

ーー今後の展望は?
粕谷:今は店舗で行っている計測を、小型化して宅配出来るモデルを企画しています。つまり、「オーダーシューズが来店しなくても出来る」というビジネスです。3D技術を使った計測にはまだスキルが必要で、細かくスキャンしなくては行けない箇所などがいくつかあります。なのでカメラやスキャンの技術の進歩と相談しながらですね。

昨年末よりクラウドファンディングサービス「Makuake」で新たなプロジェクトを開始し、精力的に活動を続ける粕谷氏。未来を創造しようと挑戦を続ける情熱から、イノベーションが生まれるのかもしれない。

シューズカフェ
住所:東京都新宿区 市谷左内町5 Lowp305
営業時間:平日10:00~18:00

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