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古くなった家電を使った音楽フェス・和田永「エレクトロニコス・ファンタスティコス!~本祭 I: 家電雷鳴篇 ~」レポート

11月3日(祝)〜5日(日)、東京タワーに隣接する「Star Rise Tower」にて和田永「エレクトロニコス・ファンタスティコス!~本祭 I: 家電雷鳴篇 ~」が行われた。このイベントでは、通常の音楽フェスとは異なり、ギターやドラムなど一般的な「楽器」は一切使われない。古くなった家電をアップサイクルして制作したオリジナルの楽器のみで演奏されるのだ。

古くなった家電に再び光を与える

フェスの幕開けは、「掃除機」を改造したフーヴァホーン。ノズルの代わりにペットボトルが取り付けられていて、さながら管楽器のような幻想的な音色を奏でた。

続いて、「ブラウン管テレビ」を改造した「ブラウン管ガムラン」。「ガムラン」とは、様々な打楽器で奏でるインドネシアの民族音楽の名で、「ブラウン管ガムラン」も同様にモニター部分を叩くと打楽器のような音が鳴る。さらにモニターに表示された縞模様の幅によって音色が変わるため、複数のテレビを並べることで新たなサウンドを生み出した。

他にも、エアコン「霧ヶ峰」を琴、扇風機をギターに改造したりと、既存の楽器は一切使われないユニークな音楽フェスが始まった。

ZAZEN BOYS 向井秀徳も熱唱

500人の観客が熱狂するなか、ひときわ盛り上がったのは、ロックバンド「ZAZEN BOYS」 の向井秀徳氏の登場。自身も「扇風琴」でギターサウンドを奏で、代表曲「KIMOCHI」を熱唱した。

終盤に登場したのが、アジアを代表するパフォーマンスチーム「FAIFAI」。振り付けを担当した「FAIFAI」の野上絹代氏が「役目を終えた電化製品が新たな命を吹き込まれて自由に動いている様を表現」したと語る
「電磁盆踊り」の振り付けを会場でレクチャーし、観客たちと共に踊り、新たな音楽を文字通り全身で体感していた。

発起人はアーティスト和田永氏

ユニークなフェスの発起人は、東京都在住のアーティスト和田永氏。オープンリール式テープレコーダーを楽器として演奏するバンド「Open Reel Ensemble」を結成してライブ活動を展開する傍ら、ブラウン管テレビを楽器として演奏するパフォーマンス「Braun Tube Jazz Band」で第13回メディア芸術祭アート部門優秀賞を受賞している。

ほかにも日本を代表するファッションブランド・「ISSEY MIYAKE」のコレクションで音楽を担当するなど、他方で活躍する人物だ。

終演後、熱気の冷めやらぬ会場で、和田氏に活動の経緯と展望を聞いた。

家電から声が聞こえる

ーーどうして家電を楽器にしたフェスを?
和田:古いテクノロジーを楽器として転用させていく活動は学生の頃から始めていて、今回は音が出来たので、あとは歌と踊りを加えて実験したいと思っていました。

家電から出てくる音は電気的だったりどこか優しい音ということではなくて、僕には「うめき声」にも聞こえたこともあって、そういった発想から電化製品を「妖怪」としてとらえるようなアイデアがスパークして、最終的に「電磁盆踊り」という形にしました。

ーー家電を楽器にするということで、どんな仕掛けが?
和田:「ブラウン管テレビ」はテレビから出ている静電気を身体でキャッチしています。実は奏者の足にはコイルがついていて、それがギターアンプに接続されています。そうすると、手がアンテナになって電化製品の音を拾うことができます。

そうして出来た音にロック・テクノを組み合わせ、一種のアナログ・シンセサイザーとして使っています。

ーー次回の展望は?
和田:次回は屋内ではなく屋外でやりたいなと思っています。そこでワーグナーのレコードで作ったUFOを飛ばしたりして、古い技術と今の技術がコンバインする、そんな世界を広げていきたいと思います。

ユニークな音楽フェスは、家電の声なき声をすくい上げるアーティストのアイデアから生まれたものだった。独創的なアイデアから新しいジャンルの音楽が生まれようとしている?

 ■エレクトロニコス・ファンタスティコス!

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