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海の生物を救うあるビール会社の秀逸なアイデア「Saltwater Brewery」

私たち人間が出しているゴミは、この地球上にあふれかえっていることは否定しようのない事実だ。

特に「海」の汚染は深刻で、環境省の調査では、海のゴミの種類で最も多かったのは「プラスチック類」との結果が発表されている。またAFP通信によると、「世界の海には26万9000トン近くの大量のプラスチックごみであふれている」とする研究論文も提出されたという。

海辺や海中に住む動物たちが、プラスチックごみを「餌」と勘違いして食べてしまったり、首や胴体にゴミが引っ掛かり、取れなくなって死んでしまったり、保護されるケースも珍しくない。海洋ごみの問題は、私たちが解決しなければならない深刻な環境問題の一つなのだ。

あるビール会社の取り組み

動物たちを苦しめているプラスチックごみの一つが、「ビール缶の結束パック」だという。アメリカでは、昨年6.3億ガロン(約23.8億リットル)のビールが飲まれ、その半数が缶に入ったビールだという。そのほとんどにプラスチック製の結束パックが使われ、またそのほとんどのビール缶の結束パックが、最後は海に流れ着き、野生の生態系を脅かしているという。例えば海ガメなどは、海中に浮遊する結束パックの姿が、餌の「クラゲ」に似ており、誤って食べてしまうのだという。

その事実を知ったフロリダ州のビール会社「Saltwater Brewery」は、海の生物を守る為に何かをしようと考えた。またこの取り組みを通じて、彼らの主要なターゲットであるサーファー、釣り人、そして海を愛する人たちと繋がろうとしたのだ。

まず彼らは、「WeBelievers」という団体と共に考え、デザインし、テストし、あるビール缶の結束パックの試作品を完成させる。それは「食べられるビール缶の結束パック(Edible Six Pack Rings)」である。


その原料は、ビール生産過程の副産物である小麦と大麦であり、100%生分解性で堆肥化することができるという。つまり、万が一海に流れてしまっても、時間が経てば自然に有機分解し、海洋に害を与えることはないということだ。小麦や大麦で出来た素材が、ビール缶6本の重さに耐えられるのは驚きだ。

Edible Six Pack Ringsがもたらした影響

Saltwater Breweryが開発した「食べられるビール缶の結束パック(Edible Six Pack Rings)」は、海の動物を守ろうとするそのコンセプトが消費者に支持され、ビールの売上アップにつながったという。自然で純粋な材料のみを使った地元のおいしいビールを飲んで、海の動物たちを守れるのだから、買わない理由はないのかも知れない。

現在は、フロリダのあちこちでこの「食べられるビール缶の結束パック」が見られるそうだが、ビール缶の結束パックのみならず、様々なプラスチック商品にこの技術が応用することができれば、さらに環境に優しい製品が増えていきそうだ。

一つのアイデアによって、海の環境は守られ、ビール会社の売上は上がり、人々は美味しいビールを楽しめるようになる。

「地球に住むのは人間だけではない」という当たり前のことを、改めて気づかせてくれるビールの味は、ひときわ美味しいに違いない。

Saltwater Brewery
Courtesy of Saltwater Brewery

bouncy編集部
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