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はだかの付き合いを通じて学びを楽しむ「はだかの学校」

8月19日に、東京・上野の銭湯「日の出湯」で開催された「はだかの学校」。その名の通り、生徒も先生も「はだか」となり(※女性は足湯)、ゆっくり湯船に浸かりながら地域の歴史や文化を学ぶ、まさに「はだかの付き合い」の勉強会イベントだ。

「銭湯」という特別な空間で、普段は聞けないような知識や、知ってるようで知らない地域のことなど、気軽なコミュニケーションと学びが得られることが魅力だ。

伊勢谷友介が理事長を務める

運営メンバーは、会場となる銭湯「日の出湯」、広告代理店の「アサツーディ・ケイ」、そして俳優の伊勢谷友介氏が代表を務める「REBIRTH PROJECT(リバースプロジェクト)」の3社。

「再生」をコンセプトに掲げるリバースプロジェクトは、「はだかの学校」のテーマを「温故知新」とし、日本の古き良き文化や風習をそのまま再生させるのでなく、さらに新しい価値を提案したり、時代にあった見せ方で再定義を試みている。

銭湯が、地域の人が集まる「コミュニティースペース」として活用され、それにより災害が起こった時の防災拠点、または地域のお年寄りに異変があった時に気付ける場となるなど、現代のニーズを担いつつ本来の役割を再び取り戻すことを目指す。

銭湯で学ぶ「江戸切子」

「はだかの学校」は、2017年3月から毎月行われ、この日は第6回目。今回は男女合計11名が参加し、下町の伝統工芸「江戸切子」についての講義が行われた。講師を務めるのは、木本硝子株式会社の代表取締役、木本誠一氏。

授業は江戸切子の歴史や技法、さらには製品の開発秘話など濃密なもので、参加した生徒たちは、汗だくになりながらも熱心に講義に耳を傾けた。

会場は、音楽フェス「ダンス風呂屋」をはじめとして、様々な個性的なイベントを行うことで、銭湯になじみのない若年層にも親しんでもらえるような試みを続けてきた「日の出湯」。

では「はだかの学校」はどういった経緯で生まれたのか?日の出湯オーナーの田村祐一氏に聞いた。

ヒントはおばあちゃんの戦争体験

——「はだかの学校」発案のきっかけは?

田村:日の出湯のお客さんで94歳のおばあちゃんがいて、以前に自身の戦争体験を聞かせてくれたことがありました。教科書には載っていない経験者のリアルな言葉に衝撃を受けて、その話を他の人にも聞かせたいと思い、Facebookで募ったところ、20名の応募がありました。

反響が大きさに驚きながら、いろんな話をしてくれる年配の方って、銭湯に来ればたくさんいるよなと、ふと気が付いたんです。この出来事がきっかけになり、お風呂で色々な人の話を聞く「授業」のようなことができたら面白いのではと思いました。そのアイデアに賛同してくださった伊勢谷友介さんを理事長に迎え、「はだかの学校」が誕生しました。

——今回の授業は「江戸切子」でしたね

田村:講師の木本さんは日の出湯の昔からの常連さんで、私たちの取り組みにも賛同してくれていて、「はだかの学校」をスタートした時、最初に先生として顔が浮かんだ1人です。江戸時代から始まった、ガラスの表面に彫刻を施す特殊な切子(カット)技術を通して、下町から世界に発信する伝統工芸の素晴らしさを語ってもらいました。ちなみに、ご本人もはだかで江戸切子を紹介するのは初めてだと笑っていました(笑)

銭湯で毎日が楽しくなる

——田村氏が考える「銭湯の魅力」は?

田村:大きなお風呂に入ることの開放感や気持ち良さはもちろんのこと、銭湯に来れば、地元の人と知り合うことができます。地域と繋がることで、毎日が楽しくなったり、ハリのある生活が送れるようになると思います。「はだかの学校」は、そんな銭湯の魅力を感じられる一つのきっかけになったら嬉しいです。

自分が住んでいる街のことを、あなたはどれだけ知っているだろうか。その街を知るには、銭湯に行くのが一番なのかもしれない。例えば、銭湯で一緒に汗を流した人と街中ですれ違い「行ってらっしゃい」なんて言われたら、その街がたまらなく愛おしく、離れられない場所になるだろう。とはいえ、地元での“銭湯デビュー”に気恥ずかしさを感じてしまうのなら、まずは「はだかの学校」に参加してみるのもいいかもしれない。

■はだかの学校(http://sento-manabi.com/)

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