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まるで紙の建築?精巧すぎるPeter Dahmenのポップアップカード

クリスマスカードや誕生日カードによく使われる、ポップアップカード。カードを開くと、クリスマスツリーやケーキなどが飛び出してくる仕組みである。

恐らく世界最大であろうポップアップカードがお披露目されたのは、2011年ドイツで行われたインターナショナル・モーターショー(IAA)でのこと。自動車ブランドMINIの新車発表の際に背景に幅10メートル以上、高さ5メートル以上の巨大なポップアップカードが出現したのだ。

見る人の度肝を抜いたその作品を手がけたのは、デザイナーでペーパーアーティストであるPeter Dahmen氏だ。彼が生み出す作品はまるで、「紙の建築」である。

手作業で生み出される作品の数々

ドイツ人であるPeter Dahmen氏の作品を紹介した動画は、インターネット上で数百万のヒットを記録しているという。

飛び出す絵本のように2つのポップアップから成る「FLOWER & CRYSTAL」は、140×100cmの大きさで作成され、細部にまでこだわり抜いた作品である。また、TEDカンファレンスで、魔術師Marco Tempest氏のステージプレゼンテーションのためのポップアップでは、家、教室などを見事に表現し、彼のプレゼンに花を添えた。

紙でできているとは信じられない作品の数々は、全てパソコンなどを使わず手でデザインしているというから驚きである。

直面した問題が転機をもたらす

彼がそもそも、折り畳み可能なオブジェクトを製作するようになったキッカケはなんだったのだろうか。

1989年、彼が受けていたグラフィックデザインの授業において、紙で3Dの作品を作る課題が出たという。紙でモノを作るのがもともと好きだったPeter Dahmen氏は、この課題をとても楽しんだ。それと同時に一つの大きな問題にぶつかったという。当時車を持っていなかった彼は、電車で大学に通っていたため、大きな作品を持ち運ぶのが困難だったのだ。そこで、作品を折りたためるようにしたのだ。このような体験から、飛び出すポップアップカード製作が始まったとのこと。

最初のモデルは必ず手作業で作成しているというPeter Dahmen氏。彼の最初のスケッチは、とてもシンプルでカッコ悪いものだという。そこから一つずつ手直しを施し作品を完成させていくとのこと。作品の複雑さにより異なるが、最初のスケッチから完成までは平均して約4~8週間必要だという。

用紙をフリーダウンロードで誰でも作成可能

アーティストは自らの技術を容易く人々に教えたりしないもの、というイメージがあるが、Peter Dahmen氏はむしろその逆をいく人物である。HP上ではクリスマスカード用や誕生日用などの用紙がダウンロード可能で、作り方が丁寧に説明された動画までアップされているのだ。

それぞれのページには、コメント欄が設けられていて、作った感想や質問などが投稿されている。それらのコメントに対しても彼は一つずつ丁寧に返信しているのだ。

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複雑に構成され、簡単には作ることはできないポップアップカード。しかしPeter Dahmen氏は、時間や手間を費やす価値がそこにはあると話す。単なる平面から、開いた瞬間に見事な立体へと展開するアートを前にした驚きや感動。その一瞬のために、彼の技術や情熱はつぎ込まれているのだ。

Pop-Up Paper Sculptures
Courtesy of Peter Dahmen Papierdesign

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