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AIとロボットの最新技術が詰まった夢の祭典「ロボカップ2017名古屋世界大会」レポート

7月27〜30日、ポートメッセなごやで開催されたロボットの技術と進化の祭典「ロボカップ2017名古屋世界大会」。1997年の第1回大会以来、20年ぶりに名古屋で開催され、世界各国から選りすぐりのチームが名古屋に集結。発足時から続く「ロボカップサッカー」を始めとする様々なロボットリーグが用意され、各国参加チームが技術と想いをぶつけ称え合う激闘の4日間を繰り広げた。

パスやシュートでゴールに迫る白熱のロボットサッカー

進化したAI技術により、ロボット自身が考え、自律的に行動することで試合が行われるロボカップサッカー。ロボットのサイズや形状により8つのリーグに分けられており、リーグそれぞれに特徴や見所がある。

  1. 小型リーグ
    オレンジ色のゴルフボールを使用し、1チーム6台の直径18cm 高さ15cm以下のロボットで競う。フィールド上方の4台のカメラによるビジョンシステムから情報が両対戦チームに送信され、それらの情報を元に無線で通信を行い、戦略的にプレイ可能。目が離せないほどのスピーディな展開が魅力で、初めて観戦する人でも気軽に楽しむことができる。
  2. 中型リーグ
    小型リーグよりサイズもフィールドも大きくなった中型リーグ。人間のサッカー同様5号球のボールを使用する。各ロボットに搭載されたカメラ・センサー・コンピュータなどにより、ハイレベルな試合が楽しめる。ボールもロボットも一回り以上大きくなったことによる迫力ある試合展開が見所。
  3. ヒューマノイドリーグ
    ヒューマノイドリーグはロボットのサイズによって、Kid・Teen・Adultの3つのサブリーグに分かれて行われる。いずれも二足歩行ロボットを使用するため、バランス力や正確なキック精度が課題となる。人間のようには速くは動けないが、周囲のロボットやフィールドを把握する能力、チーム戦略など、技術レベルは年々向上しており、将来のヒューマノイド開発の発展に欠かせない重要なリーグとなっている。上記3リーグの他にも、ソフトバンクロボティクスのコミュニケーションロボット「NAO」が標準プラットフォームであるのみを使用するスタンダードプラットフォームリーグや、ディスプレイ上でAI同士が戦うシミュレーションリーグなども用意されている。

ヒューマノイドリーグ

激闘の4日間の行方は…

懸命にバランスをとりながらパスやドリブルを駆使し、転んでも自ら立ち上がりゴールへ向かうロボットたち。各参加チームそれぞれ得意なスタイルや戦術を用意しており、それが上手くはまった時は参加者・来場者共々大きな拍手が沸き起こるなど、会場は熱気に包まれた。注目のヒューマノイドリーグでは、フランスのRhobanFootball Clubが、独自のサイドキックを活用した巧みなボール運びで他チームを圧倒し、Kid部門で昨年に引き続き2年連続の優勝を成し遂げた。

RhobanFootball Club

Teen・Adultの両部門を制したのはドイツボン大学のNimbRo。半年以上をかけた設計がはまり確かな実力で優勝した彼らは、試合後のインタビューで「ほぼ完璧だ」と笑顔を覗かせていた。日本勢では、千葉工業大学のCIT BrainsがKid部門3位に、愛知県立大学のCamellia Dragonsがスタンダードプラットフォームリーグ・チャレンジシールド部門で1位に輝くなど、開催国の健闘を見せた。

NimbRo優勝インタビュー

その他各リーグ結果の詳細はこちら

サッカーだけじゃない、社会の発展を支えていく様々なロボットリーグ

  1. ロボカップレスキュー
    ロボカップレスキューは地震などの大規模災害を想定し、瓦礫や障害物を乗り越えながらロボットが戦略的な救助活動を行う競技。実機を用いるレスキューロボットリーグでは各チーム独自に設計されたロボットが、会場に張り巡らされた様々な障害物・課題をクリアしていく様子を、来場者は真剣な眼差しで見守っていた。ロボットが見事な救助活動を披露した瞬間は、参加チーム同士が拍手で称え合う温かいシーンも見られた。
  2. ロボカップ@ホーム
    ロボカップ@ホームは、日常生活でのロボットの利用を想定し、いかに人間との暮らしに役立つ作業を遂行できるかを競う。音声対話技術や画像認識技術など総合力が試されるリーグとなっている。使うロボットにより3種の部門があり、トヨタ自動車製のロボットHSRで競うDSPL部門では、九州工業大学の「Hibikino-Musashi@Home SPL」が1位、玉川大学の「eR@sers」が2位となり、日本勢が1〜2位を獲得するなど大健闘を見せてくれた。
  3. 28万ドルをかけた挑戦、アマゾンロボティクスチャレンジも同時開催

    Amazon Robotics LLCが主催するロボットコンテスト「Amazon Robotics Challenge」も日本で初めて同時開催された。世界各国から計16チームが参加し、日本からも東京大学のTeam Kなど4チームが登場。商品を取り出し収納する、物体認識・姿勢制御・把持計画等の最新技術のふんだんに駆使したロボットのハードウェア・ソフトウェアで、賞金総額28万ドルをかけた熱い挑戦が繰り広げられた。見事優勝したのはオーストラリアの「ARCV」。2位はドイツの「NimbRo Picking」。NimbRoはロボカップサッカーヒューマノイドのTeen・Adultリーグ優勝チームと同じラボであり、その先進性がうかがえる結果となった。

    東京大学Team Kのチャレンジ

    ロボット工学の進化を支えるプラットフォーム

    1997年より20年続くロボカップ。確実な進化を見せてくれた様々なロボットたちだが、そこには世界中の多くのロボット開発企業の支えがある。主にロボット研究分野に向けて様々なソリューションを提供するROBOTIS社の、シリアル通信式ロボット専用アクチュエータ「DYNAMIXEL」は、ロボカップサッカーヒューマノイドKid・Teen・Adult各リーグの優勝チームとオープンプラットフォーム全体の8割以上、その他@ホームリーグやレスキューロボットリーグ、Amazon Robotics Challengeでも複数のチームが採用していた。こうした例からも、一般来場者や参加チームはもちろん、ロボット研究者、ハードウェア・ソフトウェア開発企業など、ロボットに関わる多くの人々の交流・発展の場として本大会が大きな価値を持つことが分かる。

    2050年までに「人型ロボットでサッカーW杯チャンピオンに勝つ」という壮大な目標のもとロボットとAIの発展を掲げ始まった本大会。現在災害救助や日常生活支援ロボットまで様々に幅を広げ、ロボット全体の進化の未来を担っている。

    世界中から集まったロボットへの夢が、再び日本の地から飛翔していく。

bouncy編集部
未来を感じるテクノロジーやプロダクト、世の中を良くするためのアイデア。クリエイティビティあふれるカルチャーなど、国内外の「Wow!」な話題を動画でお届け。

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