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1日で家が作れる3Dプリンター「Apis Cor」

2013年、アメリカのオバマ大統領が一般教書演説で3Dプリンターに言及したことで大きく注目された。その”3Dプリンター元年”と呼ばれた2013年から4年経った今日、ついに3Dプリンターは、「家」を出力するまでになったようだ。しかも、たった一日で。

そんな偉業を成し遂げたのは、ロシアのスタートアップ企業「Apis Cor」だ。彼らは、現場で建物全体を完全に印刷できるモバイル構造の3Dプリンターを開発した初めての会社だという。

3Dプリンターの進化は、私たちにどのような影響を与えるのだろうか。

どんな家が出力された?

2016年12月ロシア・モスクワに、モバイル構造の3Dプリンター技術を使用して出力された家は建設された。わずか24時間で、壁など家を建築する上で必要な素材を出力したのである。

出力された家の広さは38平方メートル。鮮やかな黄色が目をひく、ユニークな形状をした家である。家の中にはこのプロジェクトに協力している韓国の企業「サムスン」のテレビや冷蔵庫などが置かれ、見る限り立派な家となっている。

気になる建物の強度についても、今回建造された壁にはハニカム構造が利用されており、強い強度を実現している。また屋根には断熱効果のある素材が使われ、高い積雪荷重と耐久性を可能としている。これらの条件は、寒さの厳しいロシアでは必要不可欠であるであろう。

使われた3Dプリンターとは?

わずか24時間で、家を出力することに成功した3Dプリンターとは、一体どのようなものなのだろうか。

「Apis Cor」社の3Dプリンターは土台とアームが伸縮・回転し、まるでクレーン車のような見た目である。曲面や高い壁にも柔軟に対応し、建物の内側と外側の両方を出力することができるという。1日最大100平方メートルの出力が可能で、あらかじめ出力した建物を組み立てるのではなく、現地で建物全体を全自動で建造することができることが特長である。印刷のプロセスは可能な限り自動化されているため、人為的なミスのリスクをほとんど排除することに成功している。

この3Dプリンターは小型で、トラックなどで簡単に運搬が可能、作業開始までに1時間足らずの準備時間でOKとのこと。一般的な四角い家から丸みをおびた家まで、様々な形状の家を出力することが可能だ。

3Dプリンターを利用する意味

3Dプリンターで家を建造することにより、どのような効果があるのだろうか。

同社の3Dプリンターには、コンクリートを生成するためのミキサーも内蔵されており、低コストかつ短期間で様々な建築が可能になるという。従来の家は完成まで、1か月以上の期間を必要とする場合がほとんどであるため、今回の24時間という時間の短さは驚異的といえる。

コストについても、3Dプリンターだけでは作業は完了しないため、依然として人の力は必要だが、それでも従来の建築方法と比べ最大70パーセントもコストを削減することができるという。ローコストかつスピーディーに家を建てることができることで、災害地の仮設住宅などの建設にも活用が期待できるだろう。

再現性の高さや、出力するものの規模など、あらゆる面で進化が進んでいる3Dプリンター。3Dプリンターの存在を知ったとき、まさか家までも出力することができるようになるとは誰が想像しただろうか。3Dプリンターの進化により、誰もが安価かつスピーディーに、質のよい居住空間を持てるような時代がきているのかもしれない。

これから3Dプリンターは、一体何を出力し、私たちを驚かせてくれるのだろうか。

Apis Cor
Courtesy of Apis Cor

bouncy編集部
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