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愛くるしい姿でゴミを回収するお掃除水車「Mr. Trash Wheel」

水辺の都市では深刻な問題となっている海や河川に漂うゴミ。景観を損なうだけでなく、悪臭や水辺の生態系の破壊の原因となり、さらにゴミの処理には膨大な税金がかかることになる。

同じ問題を抱えていたアメリカのボルチモア港では、この大量の「ゴミ処理」の助っ人として、キュートなルックスをした「Mr. Trash Wheel」を導入し、効果を挙げているようだ。

ボルチモア港の現状

ボルチモア港は毎年、数百ガロンの汚水、数百トンのゴミ、そして雨水の流出により汚染され続けてきたという。このような状況は魚やカニ、カメ、鳥など河川で生活する生物を脅かすものであり、汚染された水に触れることで水系感染症になる可能性もある。

このままでは、子どもたちが港や川の近くで遊ぶことを禁止しなくてはならなくなり、彼らの自然とのつながりを絶つことになってしまう恐れがあったという。

そんな状況を打開すべく始まったのは、自然の力を利用して、港をキレイに保とうとするプロジェクト「TRASH WHEEL PROJECT」である。そこで登場するのが、お掃除水車「Mr. Trash Wheel」だ。彼は、昔からの技術と最新の技術を駆使して、港に流れているゴミやその小さな破片までも水と太陽の力で回収することができるという。

クリーンエネルギーでゴミを回収

では、「Mr. Trash Wheel」は、どのようにゴミを回収しているのだろうか。

「Mr. Trash Wheel」は、水の流れで水車を回し、ゴミを回収する仕組みを利用しているという。水車は港に漂うゴミを持ち上げて回収し、ベルトコンベアが後部に設置された巨大なゴミ箱へと送る。十分な水力がない場合は、ソーラーパネルにより蓄えられた電力により水車を回すという。

ゴミ箱が満杯になると、ボートでゴミ箱ごと回収され、新しい空のゴミ箱が設置される仕組みだ。

1日で「17,236キロ」のゴミを処理

「Mr. Trash Wheel」が一日で最大回収したゴミの量は、なんと38,000ポンド(約17,236キロ)だという。また2014年5月から今まで回収したゴミの量は、1,342,920ポンド(約609,138キロ)にも及ぶ。

回収されたゴミの種類は、ペットボトルやたばこの吸い殻、ガラス瓶やビニール袋など。そしてこの中で圧倒的に多いのは、たばこの吸い殻である。吸い殻を捨てた人たちは、「これくらいなら大丈夫」と思い、気軽な気持ちでポイ捨てをしたのかもしれないが、その数は9,397,900本にものぼる。この数は決して“大丈夫”な数ではないだろう。

「Mr. Trash Wheel」が水と太陽の力で日々集めているゴミの種類や量を、HPで確認することが可能だ。彼の頑張りに脱帽すると同時に、その多すぎるゴミの量にあなたはきっとボルチモア港の危機的状況を知ることになるだろう。

この港は、「Mr. Trash Wheel」の活躍で2020年までに泳ぐことができ、釣りもできる港を目指し活動している。晴れた日には、ソーラーパネルでメリーランド州の住宅に供給する十分な電力2,500ワットを生み出すことができるという。

港からゴミを無くし、さらには人々の生活に欠かせない電力まで作ることができる「Mr. Trash Wheel」は、地元の人気者だ。しかし、この愛嬌のあるルックスの裏で、大量のゴミを処理していることを思うと、日頃どれだけのゴミが港を漂っているかを考えるきっかけになるかもしれない。

世界的な観光スポットとなっているボルチモア港を、さらに魅力的な場所にするため、「Mr. Trash Wheel」の頑張りは続く。ゴミが漂わないきれいな水辺が実現する日まで。

Mr. Trash Wheel
Courtesy of waterfront partnership

bouncy編集部
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