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運河から伸びる白い手が訴えることとは?「SUPPORT」

2017年、世界中の優れた観光地やホテルを表彰する「Love Travel Awards」において、“Best Wedding Hotel in Europe”を獲得したべニスにあるホテル「Ca’ Sagredo Hotel」。

文化的名所でもあるこの建物を支えるように、ベニスの運河から突如現れた、巨大な2本の白い手。この作品を手がけたのは、イタリアのアーティストLorenzo Quinn氏である。彼がこの作品に込めたメッセージとは?

作品に込められたメッセージ

この作品「SUPPORT」は、水の都に迫りくる「地球温暖化による水位上昇の危機」を表現しているという。このまま温暖化が進めば水位はあがり、この「手」は美しい「水の都ベニス」と共に、100年後には水没してしまう。

3人の子どもの父親である制作者のLorenzo Quinn氏は、子を持つ親として、子どもたちに受け渡すこの世界を心配し、地球に悪影響を与えている人類の行動を抑圧するため、変化を与えることが必要であると考えている。

Lorenzo Quinn氏が表現したこの「SUPPORT」は、視覚的かつ象徴的なメッセージで、世の中に地球温暖化問題を訴えているのだ。

Lorenzo Quinn氏とは

制作したLorenzo Quinn氏は、ミケランジェロ、ベルニーニ、ロダンのような巨匠から影響を受けた有名な彫刻家である。彼は“手”をモチーフにした作品でよく知られている。Lorenzo Quinn氏は「手には、愛する力、憎む力、創る力、破壊する力のように多くの力がある」と語る。

「SUPPORT」は、高さ約9メートル、重さ約2500キロで、運河の底10メートルの深さに埋められた4本の柱の上に設置されている。この巨大な白い手を設置するにあたり、クレーンや船などを使い昼夜作業が行われた。

設置作業は、作品そのものやCa’ Sagredo Hotelを傷つけることなく行わなければならず、とても難しい作業であったという。そのためスペインとイタリアのエンジニアたちが協力し、研究を重ね、作業が進められたとのこと。その結果、多くの人々に見守られる中、見事な作品が完成した。

様々な作品の解釈

モチーフとなる「手」について、Lorenzo Quinn氏は“手には破壊することも、回復させる力もある”と述べている。環境温暖化による水位上昇から建物を守るように伸びているように見える巨大な手「SUPPORT」も、見方を変えれば建物を今にも運河に引きずり込むようにも見えてくる。作品を見る人によって、そのメッセージのとらえ方は様々であるだろう。

どのような見方をしたとしても、この作品を見ることにより一人でも多くの人が環境問題について考え行動するキッカケになれば、Lorenzo Quinn氏の思惑通りだろう。

この「SUPPORT」は、2年に1度開催されている現代美術の国際美術展覧会“ヴェネチア・ビエンナーレ”の記念碑的な役割を担っている。この場所を訪れる誰もが見ることが可能で、2017年11月26日まで展示される予定だ。

1つしかないこの地球という惑星を、いかに大切にし、未来に残すことができるか。またそのためには具体的に何ができるのか。私たちの“手”が、破壊ではなく回復するために動くことを期待したい。

SUPPORT
Courtesy of Lorenzo Quinn

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