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シンプルなプロダクトが人々にもたらしたものとは?「Hippo Water Roller」

私たちの生活に「プラスαを与えてくれる発明」。逆に「マイナス面を補ってくれる発明」。そのどちらもありがたい「発明」ではあるが、後者の様な「困っている人々を助ける」、あるいは「不便を解消する」といった発明は、よりその価値は高いのかもしれない。

南アフリカで作られた「Hippo Water Roller」と名付けられたシンプルなプロダクトが、日々の生活に困っていた人々に与えた影響の大きさは計り知れないものだった。

深刻な水問題

世界の水不足地域には、約12億人が暮らしていると言われている。そのうちの7億5,000万人は水不足に苦しんでおり、安全な飲料水を確保する事ができていない。アフリカでは、人口の半数以上が井戸等の水源にアクセス出来ていないのが現状だという。その数はアメリカの人口の2.5倍にもあたるという。

自宅、もしくは近所に水源が無い家庭は、女性と子ども達が20リットルの重さのバケツを使い、水を毎日、何度も、遠い距離を往復し運んでいる。長い間重いバケツを頭の上に置いて歩く行為は、首や脊柱を損傷する原因となる。また、子ども達の貴重な時間が水くみによって奪われるため、学校に行く時間が無くなってしまうのだ。毎日の生活に欠かせないこの重労働は、健康面、衛生面、教育面など、様々な面で悪影響を及ぼしているといえる。

救世主「Hippo Water Roller」

「Hippo Water Roller」は1991年に、南アフリカで2人のアフリカ人によって開発された。アフリカの農村部の女性や子供たちが、安全で飲みやすい水を得るための奮闘を目の当たりにし、考案されたプロダクトだ。

容量が90リットルの「Hippo Water Roller」は、頑丈で耐久性のあるバレル型のコンテナである。スチールハンドルが付いており、それを押したり引いたりする事で簡単にコンテナを転がす事が出来る。

水を入れた90kgのコンテナも、転がすことでわずか10kg程度の負荷に変わる。そのため、女性や子ども、身体の弱い人や力の弱い人にも使いやすいのだ。昔からの運び方と比較し、5倍以上の水を運ぶことが可能となったという。

また、内部を簡単に洗えるように大きな開口部があり、運ぶだけではなく衛生的に水を保管するタンクの役割も果たしてくれる。

水くみは凹凸のある表面や砂利の道、鋭い石などの厳しい田舎の舗装されていない道を通ることが多いので、「Hippo Water Roller」はそれらの状況に対応すべく設計されている。厚いドラム壁で、つなぎ目は無く、紫外線にも負けないポリエチレンを使用し、強力な電気メッキスチールハンドルを採用している。これで5~10年の長い耐久性を実現しているのだ。

またデザインはメンテナンスフリーとなっている。交換が必要な部品は一切使わず、スクリューキャップは摩耗しないので、農村部や経済的に貧しい地域社会での、毎日の継続的な使用を可能としている。

「Hippo Water Roller」がもたらしたもの

アフリカでは昔から、水くみは女性や子どもの仕事とされていて、彼女たちは時間や体力の多くをこの重労働に費やしてきたが、この「Hippo Water Roller」の登場により、毎日の作業が、週に数回に減り、その時間を学校に行ったり、他の仕事に使ったり、経済的に活動する事も可能となった。さらに驚くべきことに、男性までも「Hippo Water Roller」を使い、水くみの仕事を率先してやるようになったという。

このシンプル極まりない「Hippo Water Roller」がもたらしたものは、「重労働からの開放」だけでなく、健康や教育、文化といった、そこに住む人々の「生活」や「心」を豊かにし得る、大きな財産だったのかもしれない。

Hippo Roller
Courtesy of Hippo Roller

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