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なぜ人気? 中国の電話ボックスみたいなカラオケブース「ミニKTV」【深セン特集】

全3回(7月29日、30日、31日18:00配信)でお送りしている、“中国のシリコンバレー”とも呼ばれる世界の最先端の街「深セン」特集。第2回目は、「カラオケブース」を取材しました。

日本発の娯楽として世界に広まったカラオケ。中国でも、「KTV」、「卡拉OK」等の呼び名で知られ、庶民に広く親しまれています。お店で楽しむ場合は、純粋に歌を楽しむ場合やキャバクラ的な要素がある場合など様々です。

ところが、ここ最近「ミニKTV」という、電話ボックスのようなブースで楽しむ次世代カラオケがブームになっています。

ミニKTVを見てまず驚くのは、ブースが小さいこと。大人2人が入るときゅうくつに感じるほどのスペースしかありません。ブース内には、マイクや歌詞が表示されるモニターなどが設置されていますが、一般的なカラオケルームと比べると信じられないくらい狭いのです。

わざわざそんな狭いところに入ってまで歌わなくても……と思うのですが、なぜか今この「ミニKTV」は中国の若者たちに大人気。というわけで、今回はその「ミニKTV」を実際に体験し、人気の理由を探ってみることにしました。

そんな所に? ミニKTVの置き場所が意外だった

今回体験した「ミニKTV」が設置されていたのは、ショッピングモールの中。買い物に訪れた人々が行き交うエスカレーターのすぐ脇に、一昔前の電話ボックスのような感じで、カラオケ用ブースが置いてあります。

周囲には無印良品などの店舗もありオシャレな雰囲気。ここはちょっとお金に余裕がある人たちが、買い物を楽しむ場所で、決して「最先端」や「イロモノ」系をあつかう場所に「ミニKTV」があるわけではありません。

ちなみに、中国各地のショッピングモール以外には、空港などに「ミニKTV」があります。少しお金に余裕がある人たちが、時間を持て余しそうな場所を狙って設置しているようです。

ミニKTVのブース内をチェック

カラオケブースの中には歌詞が表示されるテレビ、マイク、ヘッドホンなどが2セットあり、最大2名で利用することを前提としたつくりになっています。

流れる曲やマイクで拾った歌声の音質は、日本のカラオケと比べても遜色なく、十分に楽しめるレベル。ブースの防音性は高く、外に音が筒抜けということもありません。また、側面にあるカーテンを閉めれば、ある程度プライベートな空間でカラオケが楽しめるようになっています。

利用金額は1曲6元(約102円)、15分20元(約300円)、30分35元(約595円)、60分60元(約1,020円)で、支払いはWeChat Payなどのスマートフォンのアプリのみから可能。現金やクレジットカードでの支払いができないところに、キャッシュレスのスマートフォン決済が浸透している現代の中国らしさを感じます。

なぜ中国の若者はミニKTVを使うのか?

現地で「ミニKTV」を利用してみた印象は、「カラオケ好きなら空き時間に、サクッと数曲歌ってスッキリできるのはうれしいかも」でした。

世間的には、「一人っ子政策で兄弟がいない若者たちは、1人の行動を好むのでカラオケもおひとりさまで楽しみたいというニーズがある」という説明や、「友だちとカラオケをする前の練習に利用する」ともいわれています。

しかし、現地で「ミニKTV」のブースに入っていく人たちを見ていると、どうもそれだけではないよう。実際にブースの中に入っていくのは、ほとんどがカップルだったからです。

歌い終えてブースから出てきたカップルに話を聞いたところ、こちらの女性は1年くらい前に始めて「ミニKTV」 を利用し、1カ月に2回くらいは使うとのこと。

この2人の他にも、約1時間の間に見かけた「ミニKTV」に入っていく若者は8割近くがデート中とみられるカップルで、デートコースのひとつとして利用されている様子が見られました。

ショッピングモールでオシャレな雰囲気やショッピングを楽しむ合間に、手軽に「2人きりの空間を楽しむ」カップルたちの姿があり、恋人同士か、それ未満の2人が親密度を高める場所として「ミニKTV」が利用されているのでしょう。

・ ・ ・

現地で取材をするまでは「わざわざ狭いブースに入ってまで、歌う理由がよくわからない」と思っていましたが、2人の距離を縮めたいカップルたちにとっては、この狭さこそが魅力のはず。そう考えると、奇抜な存在に見えていた「ミニKTV」が少しロマンチックな存在に見えてきますね。

(取材・記事:楯雅平、取材協力:川ノ上和文)

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