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六本木ヒルズがカオスに? 現実と非現実がわからなくなるライブアートとは

2009年に始まったアートの祭典「六本木アートナイト」。夜の六本木の街中で、アートを愛でるイベントだ。

2018年のメインプログラムとしてひときわ注目を集めたのが、アーティスト金氏徹平が手がける「タワー」。会場となる六本木ヒルズのアリーナには、木で出来た塔を軸に、映像・音楽・演劇・ダンスなど様々な要素が複雑に絡まりあう、パフォーマンスが行われた。

文字通り舞台の裏側が見える?

街中で演劇、それを漢字で表せば「市街劇」。これはまったく新しいこと、というわけではなく40年も50年も昔のこと、今や歴史上の人物となってしまった寺山修司率いる劇団「天井桟敷」が行い注目を集めていた演劇のジャンルだ。

演劇を観ている時間は非現実的、つまりいつもと違う空間でいつもは観ないものを鑑賞する時間だが、市街劇は普段生活している慣れ親しんだまちなかを、演劇によって非現実的な世界に変えてしまう。

今回の「タワー」は、もともと舞台装置として作られた作品を転用したもの。客席からみればいわゆる舞台装置そのものだが、階段など通路からは裏側を観ることができ、小道具を出している様、役者が移動する様を観ることができる。

つまり、観る場所によって異なる楽しみ方ができる舞台芸術なのだ。

豪華メンバーの共演

「タワー」には、多くのアーティストが協力している。

ミュージシャンのオオルタイチと柴田聡子、ダンサーの島地保武、女優の青柳いづみ、サウンド・アーティストの荒木優光と小松千倫、ドラムの和田晋侍、映像作家の山田晋平をはじめ、劇作家の岡田利規、アーティストのcontact Gonzoなど……。

個性的なアーティストのパフォーマンスが融合することで、より濃密で、カオスな空気感が会場を包んだ。

リアルな体験がより意味をもつ時代

ーー今回の六本木アートのテーマは「街はアートの夢を見る」にどのようにアプローチしましたか?

金氏:夢はもともと現実で起こったことや起こりそうなことをベースにしていると思います。そういう意味で現実と非現実の間として「夢」を表現したいと思いました。

そもそも演劇をやる劇場は非現実的な場所なので、それを外に持ち込む、しかも街中で行うとおもしろいと思います。

今回は本当に建物をみんなで演じているという感じなので、街中でやる意味はすごくありますね。ちょっと非現実的な六本木、しかも夜中ということで、すごく効果がありますよね。

「タワー」はもともと劇場の中でやるために作られた作品なんですけど、それを六本木の街の中で再構成するということですごく意味が変わっていると思います。実際の街の風景だったり、ビルだったりが背景になることで、抽象的な建物と現実の建物、それらが並ぶことで見え方が変わってくると思います。

ーー様々な表現があるなかで舞台芸術の魅力は?

金氏:実際に目の前で何か物を見せたリアクションを見せたり体を見せるということの意味や体験の豊かさは、これまで以上に強まっているような気がしていて、動画とかインターネットが発展すればするほどその意味は強くなってくるんじゃないかなと思います。

・ ・ ・

実際に舞台を観ていると、時折一体何を見ているのかわからなく時があった。映像も、音楽も、演劇も混ざった複雑なライブアートは、実際にその場にいないと体験できない不思議な感覚を与えてくれる。その豊かさが改めて見直されつつある?

六本木アートナイト

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