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キャンバスに一瞬で現れるサンドアート「Tim Bengel 」

「アート」というものは、常に「定番」が壊されながら進化していくものだ。「サンドアート」といわれるジャンルでは、砂浜に巨大な「砂の彫刻」を作るものや、ライトボックスの上で「砂」だけで絵を描くものが定番だが、今回ご紹介するアートは、「サンドアート」の新たな可能性を切り拓くものかもしれない。

ドイツのごく普通の青年だったTim Bengel氏

新たなサンドアートを生み出したのは、ドイツのアーティストTim Bengel氏。彼は幼いころ、数学や文法のように規則性のないアートに好奇心を抱き、その独特の世界に惹かれていったという。

彼にとってアートとは“異なることをすること”。他のアーティストが油絵や彫刻を作る中、彼は別の変わったユニークな物を作りたいと考えていた。製作開始当初は、「お前はドイツの小さな町のごく普通の男なんだ。アーティストなんかになれっこない。まともなことをしろ」と、周りから全く相手にされなかったという。

「砂」と「金」で作るサンドアート

周囲から冷たくあしらわれた彼が編み出したアートの技法とは、粘着性の液体を振りかけたキャンバスに砂や金を乗せ、メスを使い丁寧に細かく絵を描いていくというもの。集中力と作業時間を要し、きっと本人以外誰にもマネする者はいないだろうと思わせるほど、緻密で根気のいる作業である。

作品の仕上がりが最後まで分からない

砂が乗ったキャンバスを一気に立て起こすと、雪崩のように砂が転がり落ち、そこにはモノクロ写真かと見間違えるほど精巧な、フランスのエッフェル塔やマレーシアのペトロナスツインタワーが浮かび上がってくる。彼が描くのは建造物だけではなく、鷹や、元サッカードイツ代表のゴールキーパー、ティモ・ヒルデブラント選手などの人物まで多岐に渡る。

砂が払われるまで、その下にはどんな作品が眠っているか分からない点は、人々を惹きつけるユニークな演出の一つである。

キャンバスの下の作品が姿を見せる瞬間、ドキドキしているのは私たちだけではない。実は作った張本人の彼もまた期待に胸を膨らませている一人なのだ。なぜなら、他のアートとは異なり、彼の技法では作業途中で作品の出来を確認することはできないからである。

動画で世界へ発信

彼の作品が注目を集めるきっかけとなったのは、ネットである。自らのユニークなテクニックを動画で撮影しアップしたことが発端となり、最大で2億5000万回の再生回数を記録したという。

確かに彼の作品は、その完成度の高さも去ることながら、作品が出現する一瞬が見せ場である。そのことから、動画での世界への発信はまさに的を得た表現方法であったということだ。

アートの本場、アメリカ・ニューヨークでの個展を9月に控えているTim Bengel氏。誰にも相手にされなかった過去から、自分にしかできない表現を手に入れた彼は、叶えたい夢がある人に、こんなメッセージを送っている。

“Dream it BIG!”


Courtesy of Tim Bengel

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