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世界を魅了する陶芸手法「練り込み」とは?

日本が世界に誇る文化はたくさんあるが、このところSNSを中心に海外で注目されているのが「練り込み」と呼ばれる陶芸の手法である。親子三代に渡り練り込み陶芸を継承するのは、水野智路氏。水野氏は、自らの作品をInstagramにアップし、日本のみならず世界の人々から注目を集めている陶芸家だ。彼のInstagramのフォロワー数は7万7千人以上。その注目度の高さを物語っている。

陶芸の歴史は古く、日本の焼き物は世界で最も長い歴史を持っているともいわれている。しかし、陶芸は老人たちの楽しみと考えられていたのは、もう昔のこと。現在は「陶芸女子」という言葉があるほど、若者の中にも浸透し人気が出てきているのだ。水野氏が作品をInstagram上で公開するのも時代の流れといえよう。

先代から受け継いできた「練り込み」の陶芸手法。若き陶芸家水野氏は、いったいどのように発展させているのだろうか。

「金太郎あめ」のような陶芸

そもそも「練り込み」とはどのような手法なのだろうか。通常焼き物は、成形した上から色をつけ模様を描くのだが、「練り込み」は、その名の通り、異なる色の粘土を何層にも重ねることで模様を作り出す手法である。実際に切って断面図を見るまで完成形が未知で、完成図を予想しながら進める独特な技といえる。簡単にいうと金太郎あめのようなものだという。

ポップでホッコリする作品たち

幼いころから工房が遊び場であったという水野氏。幼い彼が父親と一緒にロクロを回す姿が写真に残されている。そんな彼が作り出す作品は、猫、パンダ、象、男の子や女の子が一面に描かれているお皿など、どれもホッコリかわいい作品だ。

お皿や湯飲みなどの食器類だけではなく、パンダの髪ゴムやピアスも作成している。これらの作品を見ていると、若い世代もターゲットにしていることが伺い知れる。実際、モデルで女優の山本美月さんも女性ファッション誌の誌面上で、練り込み技法を体験し、自身のInstagramに水野氏の作品をアップしたりと、その魅力を伝えている。

「練り込み」の魅力

粘土の状態によって出来上がりが大きく変わる「練り込み」。成形中の粘土の変化や、断面の構成により変化をつけられるのが魅力である。

また「練り込み」により描かれる模様は、筆などで描くものとは一味もふた味も違う。ちょっといびつなパンダも、長さの異なる星も、一つ一つが違う小花模様も、全てが魅力である。彼の作品は、その細かさに驚かされるだけではなく、一つ一つを丁寧に練り込んでいるのが伝わってくる。

一度に作れる数が少ないという理由から、現在オンラインショップでの販売は現在行われていない。焼き物のイベント時に購入した幸運な人たちはきっと、きっと各家庭で作品を大切に扱っているのだろうと想像できる。

さらに「練り込み」の醍醐味の一つともいえるのが、模様が「透ける」創作方法である。作品を光にかざすと模様が浮かび上がったり、電球を入れてランプシェードとし模様を楽しんだりと「練り込み」ならではの楽しみ方もある。

時代に寄り添いながら受け継がれていく伝統

「練り込み」という伝統的な陶芸手法が、ここまで多くの人の心をつかむことができたのは、水野氏の柔軟なアイディアと、世界中の人々とつかがることができるSNSの賜物ではないだろうか。

古き良きものが改めて注目され、若い世代や国を超え多くの人々により新たなスパイスが加わることで、更に文化が発展していく。こうやって文化は次の世代へ受け継がれていくのかも知れない。

練り込み
水野智路

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